癌の治療を語るにあたって、欠かせないのが免疫についての話。癌の治療のために、知っておきたい知識です。
癌という病気になるには、いくつかの原因が考えられますが、そのなかの一つが、免疫力の低下によるもの。
人間の体の中では、毎日、数千個のガン細胞がつくられているといわれています。けれども、人間がもつ免疫力によって、ガン細胞は攻撃され、排出されていきます。しかし、何らかの原因で免疫力が低下すると、免疫細胞の働きが弱まり、ガン細胞をやっつけることができなくなってしまうのです。
すると、ガン細胞は増殖し、やがて癌という病気となって表面化します。
この人間の免疫力を利用した「免疫治療」というも、いま、注目されています。
免疫力のもとになっているのが、免疫細胞。免疫細胞には、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)、T細胞、B細胞などがあります。それぞれの役割についても解説しています。
人間の体の中で、もっとも大きな免疫器官というのが腸管です。腸管には、体内の免疫細胞の約60%が存在しています。この腸で、ウイルスや細菌への抗体をつくったり、外敵を攻撃・排出する指令を出しています。
こうした腸管免疫の働きを左右するのは腸内細菌です。腸管免疫を活発に働かせるためには、腸内細菌のバランスがよく、腸内がきれいな状態でないといけません。腸の働きをよくするために、キノコや海草類などの食物繊維を摂ることも有効です。